事例紹介17

　2019年に千葉県を襲った台風15号。記録的な被害が発生し、まだご記憶にある方も多いと思います。その時倒れてしまった裏山の杉を伐採して欲しいというお客様のご依頼です。

　風雨によって折れたり倒れた木の事を風倒木、あるいは被害木と言うのですが、一般的に処理するのが難しく、危険を伴うので自分ではやらないほうがよいと言われます。

　というのも折れたり傾いたり、一部が他の木に掛かっているため、目に見えませんが木の中に異常な張力が掛かっている可能性があるからです。また、木がどれほどのダメージを受けているかも分かりません。　中はボロボロかもしれない。

　そんな状況で力や重心がどこに掛かるかを考えることなしに切った場合、木が勢いよく避けて作業者を跳ね飛ばしたり、切った木が跳ねたり、予想外の方向に倒れてくる可能性があるのです。

　事実、専業の林業従事者の死傷率は全産業トップであり、全産業平均の約30倍にも上ります。これは2位である陸上貨物運輸業と比べても4倍近い数字です。ということで細心の注意を払って作業致しました。その為、当然ですが危険な目に合う事は無く無事作業は終了できました。2名丸二日の作業となりました。

　ただ、掛かり木（途中で折れた木が隣の木に掛かっている木）の処理には苦労しました。根元を切ったはいいものの、案の定木が下りてこず・・・ワイヤーで引っ張って引きずり倒す等の苦労がありました。また、直径が70～80ｃｍ？くらいはあったでしょうか、これを切るのにも苦労しました。

　私のチェンソーの刃渡りが50㎝だったので、一刀両断できないのです。両側から切って、転がして下の方を切って・・・・という事を繰り返し、何とか玉切り（輪切り）までフィニッシュできました。でかい木は切った後の輪切りも大変なのです。これらの木をえっちらおっちらと数か所に集めて終了です。

　クレーンや重機を使うと言った、造園屋さんのようなことはできませんが、人力で出来る範囲であれば庭木の一本から、大きな木まで扱っておりますので、ご入用の際はお気軽にお問い合わせください。

　家具移動です。婚礼ダンス、2段和ダンス、ローボード、仏壇、食器棚、どれも一人では持てないものばかり。お客様が手伝ってくだされば、人工代が半額で出来るのでお客様と一緒にやる事も多い家具移動ですが、今回はご高齢という事もあって、2名で伺いました。

　家具移動は引越しの一部みたいなものです。傷を付けずに安全に家具を家の中で移動する。1階から2階へ移動させる場合などは、普段家具を持ちなれていないと難しいかもしれませんね。

　今回は上下階はありませんでしたが、仏壇だけは置いてある部屋が特殊で、庭を通って別室へ移動しました。パワーがあれば誰でもできる（と思う）家具移動ですが、傷を付けずに、というところがミソであります。

　家具はちょっと擦っただけでも傷がつきますし、何も考えることなく持つと、想像していないところが壊れたり、剥がれたりするのです。ですので基本、パッドと呼ばれる養生具と毛布にくるんで運ぶのですが、お客様より「とっても細かいのね、性格なのかしら？」と褒められました。

　性格はO型でそんなに細かくないのですが、パッドのおかげで私のポイントが上がったようで、良かったです(笑)